美容医療のトラブルと相談先|2025年度の相談件数と、困りごとごとの窓口の選び方

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最終確認日:2026年10月3日(制度や薬・医療機器の情報は、この日に公式サイトで確かめました)

国民生活センターには、カウンセリングのつもりで出かけたのにその日のうちに高額な契約をしてしまった、施術のあとにやけどや傷あとが残った、といった美容医療の相談が寄せられています。全国の消費生活センターなどが受け付けた美容医療サービスの相談は、2025年度に7,944件でした(国民生活センター、2026年7月31日更新)。

この記事では、国民生活センターの新しい相談件数と事例、困りごとごとの相談先を、公式の情報で整理しました。

相談先は、契約のことなら消費者ホットライン188、受けた医療についての疑問や心配なら医療安全支援センター、医療機関のウェブサイトのうそや大げさな表示なら医療機関ネットパトロールと、内容で分かれています(厚生労働省)。

この記事は、施術を受けた感想ではなく、国や公的機関などの公式の情報を整理したものです。医療上の助言ではありません。施術を受けるかどうかは、医師から効果・リスク・費用の説明を聞いたうえで決めてください。持病や飲んでいる薬があるときは、必ず医師に伝えてください。

この記事で分かること

  1. 美容医療の相談件数
  2. 国民生活センターに寄せられた相談の例
  3. 体に異常が出たとき
  4. 契約で困ったとき
  5. 広告がおかしいと思ったとき
  6. 相談先の早見表と、相談の前にそろえるもの

1. 美容医療の相談件数

国民生活センターと全国の消費生活センターなどを結ぶデータベース「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」に登録された、美容医療サービスの相談件数です。

年度 相談件数
2023年度 6,281件
2024年度 10,744件
2025年度 7,944件
2026年度(5月31日まで) 735件(前の年の同じ時期は910件)

件数は2026年5月31日現在のもので、消費生活センターなどからの経由相談は含まれていません。

体に被害を受けたという相談

国民生活センターが2026年9月16日に公表したまとめでは、2025年度に、商品やサービスで体にけがや病気などの被害(危害)を受けたという相談は13,432件でした。このうち「美容医療」を含む「医療サービス」は1,442件で、商品・サービス別で2番目に多く、その63.7%にあたる918件が美容医療の相談でした。

「医療サービス」の危害の相談を、被害を受けた人の年代別にみると、20歳代が257件でもっとも多く、40歳代が255件、50歳代が253件と続きます(美容医療以外の医療サービスも含む数字です)。

2. 国民生活センターに寄せられた相談の例

国民生活センターの公表資料から、消費生活センターなどに寄せられた相談の例を短くまとめました。

契約についての相談

  • 医療脱毛の安い広告を見てクリニックへ行ったところ、「本日の契約なら」学割で安くできると言われ、2年間に15回施術を受ける高額な契約をしてしまった(2025年9月受付、20歳代男性)。
  • 美容皮膚科で美容注射を打つ契約をした。医師からリスクの説明はなかったが、帰宅後に、副作用でしこりが残るリスクがあると知り、不安になった。

体の被害(危害)についての相談

  • 顔のリフトアップの施術を受けたところ、仕上がりが左右非対称になり、傷が残った。
  • 額や眉間のしわを取るためにボトックス注射を受けたところ、まぶたが垂れ下がってしまった。
  • ホクロ除去の施術を受けたところ、2か所に陥没のあとが残った(60歳代女性)。
  • シミ取りレーザー治療を受けたところ、光が強すぎて顔にやけどを負った(30歳代女性)。

オンライン診療の処方薬

国民生活センターは2026年6月23日、ニキビ、AGA治療や痩身目的などのオンライン診療で、処方薬の定期購入のトラブルが目立つとして、注意を呼びかけました。糖尿病治療薬や肥満症治療薬(GLP-1受容体作動薬など)は、それぞれの病気の治療を目的として承認された薬で、美容・痩身・ダイエットなどを目的とする使い方については、安全性と有効性は確認されていません。

3. 体に異常が出たとき

国民生活センターは、副作用などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を直接受診するよう呼びかけています。

医療についての疑問や心配は「医療安全支援センター」

医療安全支援センターは、医療法にもとづいて、都道府県、保健所を設置している市や特別区が全国に設けている相談窓口です。医療に関する患者や住民の苦情・心配や相談に応じています(厚生労働省)。

センターは、医療行為に過失があったかどうかや、責任の所在を判断・決定するところではありません。患者と医療機関の間に立ち、中立的な立場から、問題の解決に向けた双方の取り組みを支援します。相談の内容を医療機関に伝えるときは相談者の了解を得ることになっていて、希望しなければ名前などは伝えません(厚生労働省「医療安全支援センター運営要領」)。全国のセンターの連絡先は、医療安全支援センター総合支援事業のホームページに載っています(消費者庁)。

薬の副作用の公的な救済制度

承認された医薬品を適正に使ったのに起きた副作用で、入院治療が必要になるほどの病気や、日常生活が著しく制限されるほどの障害などが生じたときのために、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度があります(PMDA=医薬品医療機器総合機構)。

ただし、未承認の医薬品は救済の対象になりません。承認された医薬品でも、原則として、決められた効能・効果、用法・用量、使用上の注意に従って使われていない場合は対象になりません(厚生労働省「医療広告等ガイドライン」)。美容目的の自由診療で使う薬や材料、機器などには、承認などがされていないものもあります(消費者庁)。制度について聞きたいときは、PMDAの救済制度相談窓口があります。

4. 契約で困ったとき

契約の内容や解約の条件など、契約についての相談は、消費者ホットライン「188(いやや!)」が案内先です(消費者庁・厚生労働省)。188に電話すると、住んでいる地域の市区町村や都道府県の消費生活センターなど、身近な相談窓口を案内してくれます。

  • 相談は無料ですが、相談窓口につながった時点から通話料がかかります。
  • 188は相談窓口を案内する番号で、消費者庁につながるものではありません。

国民生活センターは、美容医療の施術は多くの場合、緊急性がないとして、不安をあおられたり大幅な割引を示されたりしても、その日のうちに契約や施術をしないよう呼びかけています。不安に思ったときやトラブルになったときは、一人で悩まず、すぐに最寄りの消費生活センターなどに相談しましょう。

一部の美容医療サービスは、期間が1か月を超え、金額が5万円を超える場合に特定商取引法が適用され、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができます(国民生活センター)。くわしい条件は、関連記事の「美容医療の契約とクーリング・オフ」で説明しています。

国民生活センターは2026年9月14日に「消費者トラブル解決ナビ」を開設しました。よくある質問の形で解決の方法を調べられ、全国の消費生活相談窓口も案内しています。

5. 広告がおかしいと思ったとき

厚生労働省は、医療機関のウェブサイトにうそや大げさな表示があったら、「医療機関ネットパトロール」に情報を寄せるよう呼びかけています。医療に関する広告についての相談は、医療機関を所管する自治体の窓口が受け付けています。禁止されている広告の例は、関連記事で説明しています。

6. 相談先の早見表と、相談の前にそろえるもの

困りごと 相談先
副作用などの症状が出た 医療機関を速やかに受診
受けた医療についての疑問や心配 医療安全支援センター
契約・解約・支払いのこと 消費者ホットライン188
医療機関のウェブサイトに、うそや大げさな表示がある 医療機関ネットパトロール
医療に関する広告について相談したい 医療機関を所管する自治体の窓口

国民生活センターは、相談窓口の案内で、電話をかける前に次のものをそろえておくよう呼びかけています。

  • トラブルが起きたときの状況(いつ、何があったか)を整理しておく
  • 約款・契約書などの関係書類
  • きっかけになった広告やパンフレット
  • インターネットが関係するときは、その画面やURL(保存してあれば印刷する)

ただし、1日でも早く対応したほうがよい場合もあるので、心配なときは、まず電話しましょう(国民生活センター)。

まとめ

美容医療サービスの相談は、2025年度に7,944件寄せられています。体に異常が出たときは、速やかに医療機関を受診してください。契約のことは188、受けた医療についての疑問や心配は医療安全支援センター、ウェブサイトのうそや大げさな表示は医療機関ネットパトロールと、内容で相談先を選びましょう。困ったら一人で悩まず、早めに相談することが大切です。

参考にした公式情報(2026年10月3日確認)

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