美容医療を受ける前に確かめること|カウンセリングで聞くこと

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最終確認日:2026年10月3日(制度や薬・医療機器の情報は、この日に公式サイトで確かめました)

厚生労働省の「美容医療の適切な実施に関する検討会」の報告書(2024年11月22日とりまとめ)は、美容医療を、健康保険の使えない「自由診療」として行われるものと説明しています。そのうえで、患者がカウンセラーとだけ相談して決めた治療内容を、そのまま医師が行っている事例や、副作用や合併症についての医師の説明が足りず、患者が不安や不信感を抱いている事例を挙げています。

この記事では、消費者庁・厚生労働省・国民生活センターのチェックシートや、厚生労働省の通知をもとに、カウンセリングで確かめたいことをまとめました。

この記事は、施術を受けた感想ではなく、国や公的機関などの公式の情報を整理したものです。医療上の助言ではありません。施術を受けるかどうかは、医師から効果・リスク・費用の説明を聞いたうえで決めてください。持病や飲んでいる薬があるときは、必ず医師に伝えてください。

この記事で分かること

  1. 説明は「医師から」受けるのが基本
  2. 国のチェックシート「美容医療を受ける前にもう一度」
  3. 費用は「何回・どこまで」と「解約の条件」を聞く
  4. 医師と医療機関を確かめる
  5. 2024〜2026年の国の動き
  6. カウンセリングのチェックリスト

1. 説明は「医師から」受けるのが基本

厚生労働省は2013年9月27日の通知で、美容医療などの自由診療では、次のことを施術の前に丁寧に説明しなければならないとしています。

  • 施術にかかる費用(その費用で受けられる回数や範囲、保険診療でできるかどうかも含む)と、解約の条件
  • 効果の程度には個人差があること(施術を受ける人に直接説明する)

同じ通知は、医学的に必要がないのに即日施術を強要するようなことは厳に慎むべきだとしています。どうしても当日の施術を希望する人には、十分に説明し、よく考える時間を設けてから行うよう求めています。

2025年8月15日の厚生労働省の通知では、医師や看護師などの資格がない「カウンセラー」などが、患者の希望を聞いて具体的な治療方法を選んで提案したり決めたりすることを仕事として行えば、医師法に違反すると整理されました。料金の説明という形をとっていても同じです。国民生活センターも、リスクや副作用はカウンセラーなどからではなく、医師から十分に説明を受けるよう呼びかけています。

2. 国のチェックシート「美容医療を受ける前にもう一度」

消費者庁・厚生労働省・国民生活センターは、施術を受ける前に確かめたい4つのチェックをまとめています。4つ全部にチェックが入らないときや、希望していない施術を勧められたときは、改めて医師から十分な説明を受け、よく考えてから決めるよう呼びかけています。

チェック カウンセリングで聞くことの例
1. 使う薬などがどのようなものか、自分でも説明できるか 使う薬・材料・機器は何か、その安全性と有効性、国内で承認されたものか(美容目的の自由診療では、承認などがされていないものが使われる場合があります)
2. 効果だけでなく、リスクや副作用も知り、納得したか 副作用、合併症・後遺症の有無と起こる確率、施術中の痛み。期待どおりの効果が出ない場合もあるか
3. ほかの方法や選択肢の説明も受け、自分で選んだか ほかの方法の効果・リスク・費用・保険適用の有無
4. その美容医療は「今すぐ」必要か 今日決めなくてよいか(美容目的の施術は、多くの場合、緊急性がありません)

詳細版は、国内で承認された医薬品の副作用による健康被害の公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)も、原則として決められた用法・用量などに従って使われていない場合は対象にならないと説明しています。

国民生活センターは、「切らない」など手軽さを強調する施術にも、ダウンタイム(腫れや内出血などが落ち着いて、日常生活に戻れるまでの期間)やリスク・副作用がまったくないわけではないと注意しています。カウンセリングの前に、受けたい施術のリスクや副作用を自分でも調べておくよう勧めています。

3. 費用は「何回・どこまで」と「解約の条件」を聞く

検討会の報告書は、ホームページなどに載っている金額と違うメニューを示され、契約金額が思っていたより大幅に大きくなった事例や、当日中に契約すればモニター料金で割引になると言われ、想定と大きく違う金額で契約した事例を挙げています。

金額を聞くときは、その金額で何回、どの範囲まで受けられるのか、保険診療でできるかどうか、途中でやめるときの条件を確かめましょう。コース契約の一部は特定商取引法の対象になり、契約前の書面やクーリング・オフ、中途解約の決まりがあります(くわしくは「美容医療の契約とクーリング・オフ」)。

国民生活センターは、「今日契約・手術すれば割引」と急かされて即日施術を勧められるケースがあるとして、その場で判断せず、いったん帰宅して周囲に相談するなど、慎重に考えるよう呼びかけています(2026年1月20日)。

4. 医師と医療機関を確かめる

医療機関には、そこで診療する医師の氏名を院内に掲示することが義務づけられています。医師の資格は、厚生労働省の「医師等資格確認検索」で、氏名から確かめられます。表示されるのは職種・氏名・性別・登録年などで、2年に1度の届出をしていない医師などは載っていないことがあります。

厚生労働省の「診療情報の提供等に関する指針」は、手術を行う場合は、その概要(執刀者と助手の氏名を含む)、危険性、行わない場合の危険性、合併症の有無を説明するよう定めています。だれが施術するのかも聞いておきましょう。

報告書は、思いどおりの結果にならなかったり合併症が起きたりしたときに、治療した医療機関が対応できない、対応を断る、ほかの医療機関も紹介しない、という事例も挙げています。困ったときの連絡先や、アフターケアの内容も確かめておきましょう。

オンラインで相談・診察を受けるとき

2026年4月1日から、オンライン診療は医療法で、映像と音声の送受信により、医師と患者が相手の状態を互いに認識しながら通話できる方法による診療と定められました。メールやチャットだけで診断・処方することは、医師法違反となるおそれがあると整理されています(2025年8月15日の通知)。国民生活センターは、オンライン診療のあとの処方薬が定期購入になっているケースが多いとして、内容や解約条件を前もってよく確かめるよう呼びかけています(2026年6月23日)。

5. 2024〜2026年の国の動き

時期 できごと
2024年11月22日 厚生労働省の検討会が報告書をとりまとめ
2025年8月15日 厚生労働省が通知「美容医療に関する取扱いについて」を出し、カウンセラーによる治療方法の決定や、メール・チャットだけの診療などを違法な例として整理
2025年12月12日 改正医療法(医療法等の一部を改正する法律)が公布され、美容医療を行う医療機関に定期報告の義務などを設けることに。始まる日は、公布から2年以内に政令で決める
2026年4月1日 改正医療法のうちオンライン診療の部分が始まり、自由診療も含めて都道府県などが是正命令などを行えるように

報告書は、安全管理の実施状況、医師の専門医資格の有無、合併症などが起きたときに患者が相談できる連絡先などを年1回報告してもらい、相談できる連絡先など必要な内容を都道府県などが公表するしくみを提言しています。また、学会や関係団体が作るガイドラインに、医師による説明の内容、カウンセラーとの役割分担、即日治療の原則禁止などを盛り込むよう求めています。

6. カウンセリングのチェックリスト

  • 受けたい施術のリスクや副作用を、前もって調べた
  • 治療方法とリスクの説明を、医師から受けた
  • 使う薬・材料・機器が何か、国内で承認されたものかを聞いた
  • 副作用・合併症・ダウンタイムと、効果に個人差があることを理解した
  • ほかの方法の効果・リスク・費用・保険適用の有無と比べて、自分で選んだ
  • その金額で受けられる回数・範囲と、解約の条件を確かめた
  • だれが施術するか、困ったときの連絡先を確かめた
  • その場で契約せず、いったん帰って考える

チェックシートは、医療に関する苦情・心配は「医療安全支援センター」、契約のトラブルは消費者ホットライン「188」を相談先として案内しています(くわしくは「美容医療のトラブルと相談先」)。

まとめ

美容医療は、多くの場合、急ぐ必要のない医療です。治療方法やリスクの説明は医師から受け、使う薬や機器、ほかの方法、その金額で受けられる回数と解約の条件を確かめましょう。国のチェックシートの4つに納得できないときや、当日の契約を急かされたときは、その場で決めずに持ち帰り、よく考えてから決めてください。

参考にした公式情報(2026年10月3日確認)

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