【PR】この記事には広告が含まれています。
最終確認日:2026年10月3日(制度や薬・医療機器の情報は、この日に公式サイトで確かめました)
医療機関で受ける脱毛(医療脱毛)は、レーザーなどで毛の発生源をこわす医療です。政府広報オンラインは、医療脱毛などで身近になりつつある美容医療について、施術によってやけどや傷が生じる危害も一定数起きている、と注意を呼びかけています。
この記事では、国民生活センターに寄せられた相談事例と、国が承認した脱毛用レーザーの添付文書(機器の使い方や注意を書いた公式の文書)をもとに、受ける前に医師に伝えること、前後の注意、医師の説明で確かめたいことをまとめました。脱毛の種類のちがいは「脱毛の種類のちがい」で説明しています。
この記事は、施術を受けた感想ではなく、国や公的機関などの公式の情報を整理したものです。医療上の助言ではありません。施術を受けるかどうかは、医師から効果・リスク・費用の説明を聞いたうえで決めてください。持病や飲んでいる薬があるときは、必ず医師に伝えてください。
この記事で分かること
- 医療脱毛で寄せられている相談
- 効果は「永久」ではなく、硬毛化なども
- 受ける前に医師に伝えたいこと
- 日焼けなど、受ける前後の注意
- 医師の説明で確かめたいこと
- トラブルが起きたら
1. 医療脱毛で寄せられている相談
国民生活センターが2017年5月に公表した報告では、2012年度からの約5年間に、医療機関で受けた脱毛で危害を受けたという相談が284件ありました(2017年2月末までの登録分)。施術の内容は「レーザー脱毛」が96.3%、危害の内容は「熱傷」(やけど)が47.2%、「皮膚障害」が41.9%でした。報告書には、次のような事例が載っています(相談者の申し出にもとづくもの)。
- ひざ下のレーザー脱毛で、効果がないと伝えたら出力を上げたようで、やけどのように腫れ、色素沈着が残った
- レーザー脱毛で「硬毛化」が表れ、強いレーザーを当てることになった後、皮膚が赤くただれてやけどのようになった
- 医師から施術内容の説明がないまま、スタッフが施術した。蕁麻疹(じんましん)が出て、別の病院では完治に半年かかると言われた
危害が出て治療を受けたという相談(122件)のうち45.9%は、脱毛を受けたところとは別の医療機関を受診していました。また、脱毛を受けたことがある1,000人へのアンケート(エステで受けた人も含む)では、約4分の1が、やけど・痛み・ヒリヒリ感などの症状が出たことがあると答え、そのうち7割以上は、トラブルや副作用の説明を事前に受けていませんでした。
この報告は2017年のものですが、国民生活センターの「美容医療サービス」のページ(2026年7月31日更新)でも、レーザー脱毛などで皮膚障害や熱傷などの危害を受けたという相談が寄せられている、とされています。2026年1月には、安価な広告を見てクリニックに行き、当日に契約すればさらに安くなると勧められて高額な医療脱毛の契約をした、という事例も紹介されました。契約のことは「美容医療の契約とクーリング・オフ」で説明しています。
2. 効果は「永久」ではなく、硬毛化なども
国の承認を受けた脱毛用レーザーの添付文書には、治療の前に次の2点を患者に十分に説明し、同意の上で治療を行うように、と書かれています。
- 有効性:複数回の治療が必要で、期待される効果は永久的なものではないこと
- 安全性:照射した部位やその周りに、多毛化や硬毛化を含む有害事象が起こる可能性があること
学会の診療指針は、硬毛化について、原因がはっきりせず、対処の方法も確立されていない、としています。添付文書には、ほかの有害事象として、やけど、水ぶくれ、かさぶた、色素沈着、色が抜けること、きずあと(瘢痕)、紫斑、むくみ、かゆみ、毛のう炎なども挙げられています。
3. 受ける前に医師に伝えたいこと
添付文書には、その機器を使わない人(禁忌)や、慎重に使う人も書かれています。機器によって違いますが、たとえば次のような場合です。当てはまるものは、受ける前に医師に伝えましょう。
- 光線過敏症がある
- 使っている薬やサプリメントがある(光に過敏になる薬、免疫抑制剤、抗凝固剤〈血液を固まりにくくする薬〉、鉄剤など)
- 施術する場所に、皮膚の悪性腫瘍、ヘルペス、傷や感染がある
- 施術する場所に、入れ墨やほくろがある
- ケロイド体質である
- フィラーを注入した部位がある
- ペースメーカーや金属のインプラントなどが体に入っている
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある(安全性は確立されていません)
- 全身の状態がよくない
当てはまるかどうか、受けてよいかどうかは、医師が判断します。持病や飲んでいる薬は、聞かれなくても伝えましょう。
4. 日焼けなど、受ける前後の注意
添付文書には、合併症のリスクを下げるため、治療の前も後も日焼けを避けることが書かれています(日焼け止めなどで十分に遮光する、と書いた機器もあります)。日焼けで皮膚炎になっているときは、肌の色が元に戻るまで治療を避ける、とする添付文書もあります。
治療の直後に同じ部位へほかの治療をしないこと、ほかの治療が必要なときは、皮膚の様子を見ながら専門医に相談して決めるよう患者に説明すること、と書かれた添付文書もあります。ほかの美容医療を受ける予定があるときも、医師に伝えておきましょう。
施術中は、レーザーから目を守るため、患者も保護用のゴーグルやめがねを着けることになっています。施術後の過ごし方は、施術した医師の指示に従いましょう。
5. 医師の説明で確かめたいこと
厚生労働省は2013年の通知で、美容医療などの自由診療では、費用(受けられる回数や範囲、保険診療でできるかどうかを含む)と解約の条件を、必ず施術の前に丁寧に説明すること、効果の程度には個人差があることも直接丁寧に説明することを求めています。医学的に必要がないのに、その日のうちの施術を強要することは、厳に慎むべきだとしています。
2025年の通知では、医師や看護師などの資格がないカウンセラーなどが、患者に合わせて具体的な治療方法を選んで提案したり決めたりすることは、医師法違反とされています。国民生活センターも、リスクや副作用は、カウンセラーなどからではなく医師から十分に説明を受けるよう呼びかけています。
- 診察と説明をするのは医師か
- 使う機器は何か。国の承認を受けた機器か(美容目的の自由診療では、承認されていない機器が使われる場合もあります)
- 何回くらい必要か。効果は永久的ではなく、個人差があること
- やけど・色素沈着・硬毛化などのリスクと、起きたときにどう診てもらえるか
- 自分に当てはまる注意(日焼け、薬、持病、妊娠など)
- 費用の総額と、解約の条件
- 今日決めなくてもよいか
くわしい確かめ方は「美容医療を受ける前に確かめること」で説明しています。
6. トラブルが起きたら
国民生活センターは、脱毛で危害を受けたときは、施術を受けた医療機関に申し出たうえで、必要なら速やかに医療機関を受診し、早めに消費生活センターなどに相談するよう呼びかけています(消費者ホットライン「188(いやや!)」番)。医療機関で受けた脱毛について心配があるときは、全国の医療安全支援センターに相談することもできます。相談先は「美容医療のトラブルと相談先」で説明しています。
まとめ
医療脱毛でも、やけどや色素沈着、硬毛化などのトラブルは起こりえます。国の承認を受けた機器でも、期待される効果は永久的なものではないとされています。受ける前に、次のことを確かめましょう。
- 持病、使っている薬、日焼け、妊娠などを医師に伝えたか
- 治療の前も後も、日焼けを避けられるか
- 効果・リスク・費用・解約の条件を、医師から聞いて納得したか
- その日のうちに決めようとしていないか
肌に異常が出たら、施術を受けた医療機関に申し出て、早めに受診しましょう。
参考にした公式情報(2026年10月3日確認)
- 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」(2017年5月11日、PDF)
- 国民生活センター「美容医療サービス(各種相談の件数や傾向)」(2026年7月31日更新)
- 国民生活センター「男性の美容医療トラブルも増加!」(2026年1月20日)
- 政府広報オンライン「美容医療サービスの消費者トラブル サービスを受ける前に確認したいポイント」(2026年8月17日)
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleLase Pro 添付文書」(2024年11月 第8版、PDF)
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「長期減毛用ダイオードレーザー メディオスターモノリス 添付文書」(2025年7月 第9版、PDF)
- 日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会ほか「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」(PDF)
- 厚生労働省「美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱い等について」(平成25年9月27日 医政発0927第1号)
- 厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」(令和7年8月15日 医政発0815第21号)
- 厚生労働省「その美容医療、ちょっと待って!」
